株式投資家は商品(株)を安く仕入れて高く売る事業主です。
近年、インターネットの普及等による投資環境の整備が進み、個人投資家の数は年々増加傾向にあります。今までは敷居が高くて、機関投資家や富裕層など一部の人達しか行わなかった株式投資は、いまではごく一般家庭の主婦までが気軽にできるようになりました。そんな中、投資家の数は増えたのですが、全ての人が投資家としてふさわしい行動をしているわけではありません。株式投資の敷居が低くなった反面、株式投資の注意点やら心構えといった基本を理解しないまま投資をする人達もふえています。今一度株式投資を始める前に、「株式投資をするとはどういうことなのか」、又「投資家とは何か」という原点を考えてみたいと思います。
「株式投資家」は、商店街に店を構え商売をする事業主と同じです。商店では、商品を安く仕入れ高く売ります。商品を安く仕入れる事ができれば、それなりの値段で売れて利益を確保できます。ところが、高く仕入れた商品はなかなかより高い値段では買ってもらえず、ずっと売れなければ、損を覚悟で値下げして在庫処分しなければなりません。更には、欠陥商品ならば値がつかず、返品もできなければ大損する事になります。又、店の運営費用をできるだけ抑え、できるだけ利益を確保しなければなりません。「商店」では、全ての利益を享受できる代わりに全ての損失も背負わなければなりません。
このように、株式投資は事業を行うのと同じで、全ての利益と損失を背負わなければなりません。利益が損失に勝れば儲ける事ができますが、損失が利益を上回れば事業と同じく、倒産・破産してしまいます。共通するのは全てが自己責任という事です。知り合いにすすめられたからある事業を始めてみたが失敗したのも、アナリストの推奨銘柄だからといって購入したが暴落して大損したのも、全て自己責任なのです。事業が失敗したからといって知り合いを責めたり、株が暴落したからといってアナリストの所為だというのは間違いです。事業を始めたのも株を購入したのも自分の判断で行った事であり、その結果については自分の責任なのです。株式投資は成功すれば大儲けできますが、失敗すれば大損してしまいます。大切な資産を運用する株式投資は、自己責任の原則で行わなければなりません。